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iPhone 6に最適化されたアプリとは

2014年09月24日

画面サイズが大きくなったiPhone 6 / iPhone 6 Plus


ついに、9月19日に、iPhone 6 とiPhone 6 Plusが発売されました。全世界で、発売から3日間で、1600万台の販売台数を記録しており、相変わらずiPhoneの人気は衰えずといったところです。

今回のiPhone 6 / iPhone 6 Plus、もっとも大きな特徴は何でしょうか。やはり、いちばん目につく点は画面サイズが大きくなったことです。現役の機種の解像度をまとめるとこんな感じになります。

機種 ピクセル解像度(高さ x 幅)
iPhone 4S960 x 640
iPhone 5 / 5c / 5s1136 x 640
iPhone 61334 x750
iPhone 6 Plus1920 x 1080


iPhone 6 Plusに至っては、これはフルHDの解像度です。リビングにあるフルハイビジョンテレビの解像度がギュッと手のひらサイズ(よりちょっと大きなサイズ)に収まってしまいました。
ここで注目したいのは、今回のiPhone 6では、画面の高さだけでなく、幅まで大きくなったということです。しかも、高さと幅がそれぞれ違うiPhone 6とiPhone 6 Plusの2機種が同時に発売されたことです。

画面サイズと開発者の苦悩


2年前、iPhone 5が発売されたとき、これまでのiPhone4 / 4Sから画面サイズが縦に伸びたことにより、アプリ開発者はアプリの縦長のサイズ対応を強いられました。ただ、Appleは対応されていないアプリのために、iPhone 5にiPhone 4 / 4Sの画面サイズそのままの大きさで表示するモードを残してくれました。iPhone 5の縦サイズが1136px、iPhone 4 / 4Sの縦サイズが960pxですから、その差分の176pxの半分の88px分を上下に黒い帯を表示した状態で、iPhone 5に対応しないアプリは起動できました。

iPhone 6に最適化されたアプリとは

しかし、これでは、せっかく大きくなった画面を充分に使えなくなってしまいます。ユーザーの利便性を考えるならば、きちんと縦長サイズの対応をすべきです。iPhone 5発売以降、アプリ開発者たちは、いわゆる"縦長対応"に奔走しました(今となってはよい思い出です)。

さて、あれから2年の月日が経ちました。今度は、高さだけでなく、幅まで大きくなったiPhoneの登場です。しかも、2サイズも増えました。アプリ開発者にとっては2年前の悪夢が4倍になってやってきたといったところでしょうか?

まだ、iPhone 6 / iPhone 6 Plusが発売されて1週間も経っていないこともあり、App Storeでも 新しいiPhoneの画面サイズに最適化されたアプリはあまり多くありません。AppleのiPhoneの発表イベントでは、これまでのアプリは手を加えることなく、新しいiPhoneで動作すると、ワールドワイドプロダクトマーケティング担当上級副社長のPhil Schillerが話していました。
iPhone 5の発売の時のように、今回も対応していないアプリも動作するような仕組みが提供されたわけです。やれやれ、一安心、、、でしょうか?

では、新しいiPhoneのサイズに最適化されていないアプリは、実際どのように表示されるのでしょうか。実際に試してみました(左からiPhone 4S、iPhone 5s、iPhone 6 、iPhone 6 Plusです)。
iPhone 6に最適化されたアプリとは
どうでしょうか、ぱっと見、問題なく表示されているように見えますね。しかし、よく見てみると、画面サイズが変わっても、iPhone 4Sをのぞいて、表示されている内容がすべて同じです。新しいサイズに対応していないアプリは、縦と横方向に拡大表示する、というのが、今回の対応されていないアプリへの仕様というわけです。
iPhone 5の時は上下に黒帯を入れればよかったのですが、今回は幅も大きくなったので上下だけでなく、左右にも黒帯を入れるというのはあり得ませんしね。

しかし、これでは、せっかく大きな画面を手に入れたのに、1画面あたりの情報量は変わらないということになってしまいます。しかも、画面をそのまま拡大しているので、文字も大きくなり、文字も画像も全体的にボヤッとした感じに表示されてしまっています(これ、実機で確認するとよくわかります)。

このブログを書いている時点では、facebookもiOSアプリも、新iPhoneの画面サイズに最適化されていません。「iPhone 6でfacebook見てると、文字大きくてお年寄りになった気分だ」と言っている人がいましたが、確かに、大きな画面に大きな文字なので、このユーザー体験はないよなぁと思ってしまうわけです。
特にiPhone 6 Plusの方が画面が大きい分、お年寄り感はより強いと思います。せっかく大きな画面をiPhoneを手に入れても、しばらくは、大きな画面の恩恵を預かれる機会はまだまだ少ないといってよいでしょう。かなり残念感を感じるところです。ここは、開発者さん達の頑張りに期待するしかありません。

では、使っているアプリが新しいiPhoneのサイズに最適化されているかどうかは、どうやって判断すればよいでしょうか?
起動してみて、何となくボヤってしているなと感じれば、まず、対応されていません。また、「iOS 8に対応しました」と書かれていても、iOS 8での動作は大丈夫だけど、新しいサイズに対応しているとは限らないので注意が必要です。

ちなみに、App Storeで確認すると、対応アプリは以下のように記載されています。

iPhone 6に最適化されたアプリとは

このように、「このAppは、iPhone5、iPhone 6 および iPhone 6 Plusに最適化されています」と表示されていれば、新しいサイズに対応したアプリということになります。

画面サイズに最適化したアプリは快適なUIを提供してくれる


では、新しいサイズに対応したアプリはどのような感じになるでしょうか。
iPhone 6に最適化されたアプリとは
文字サイズはすべてのiPhoneで同じ大きさとなり、表示される内容も大きな画面ほど、多くなっているのが一目瞭然ですね。

iPhone 6 Plusで最適化していないものと最適化したものを並べるとこんな感じです。
iPhone 6に最適化されたアプリとは

脱・画面サイズに依存したアプリ開発


これからiPhoneアプリを開発する場合は、4つの画面サイズに適応したものを開発しなければならなくなります。iPhone 6が出る前は、iPhone 4S と iPhone 5の2サイズの対応(縦方向の対応)をしていればよかったのに、これからはさらに2つのサイズに対応しなければなりません(しかも縦方向だけでなく、横方向も)。

これに対する答えは、ただひとつです。
どんな画面サイズでもきちんど動作するアプリを作る

言い換えると、画面サイズに依存したアプリは開発しないということです。これについては、実はiOS 6の頃に画面サイズに依存しない開発ができるようAppleが環境を用意してくれていました。「Auto Layout 制約」を定義するというものですが、この仕組みに基づいてアプリを開発すれば、新しいサイズのiPhoneが追加されても比較的スムーズに新しいサイズに適応できるようになります。

Auto Layoutを使うということは、名前から想像できるかもしれませんが、ボタンや入力フィールドの位置を絶対位置として定義してデザインするのではなく、このボタンは画面の右端から○ピクセル、この入力フィールドは、左右○ピクセルの余白があって、幅は可変、といったように定義することになります。Auto Layoutを使った設計をしていない開発者は、今後、Auto Layoutを使った設計が必須となるでしょう。すべからくアプリデザインの手法も変更しなければなりません。

最後に宣伝ですw
今回、例で紹介しました「womoグルメアプリ」は、iPhone 6 / iPhone 6 Plus発売日から、新サイズに適応したバージョンアップ版をApp Storeで公開しています。今なら、500円でランチが楽しめるアプリ限定クーポンもついています。新しいiPhoneを手に入れた方も、ぜひ、womoグルメで静岡のグルメ店を探してみてください。


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Posted by iA SEチーム at 14:11│Comments(0)iPhoneアプリプログラミンググルメ
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