SOLG System Blog

「アタリショック」とその復活

2014年09月28日

いまさらのお話ですが、
以前、ここで紹介したクソゲーの続報がありました。


クソゲーをあまりにもたくさん作りすぎて
しかも、あんまりにも売れなかったので、
当時ゲーム会社最大手の「ATARI社」の経営が傾き
倉庫一杯の不良在庫を頭に来て、
こっそりと夜中、トラックで運び出し
でっかい穴を掘って埋めてしまったという都市伝説のやつです。

そして、その伝説が本当だったかどうか、
発掘してみようという馬鹿なお話です。

「クソゲーで宝探しがマジだったでござるの巻」
http://iaseteam.eshizuoka.jp/e1079888.html

あれですが、本当にあったようです。


すげーな!アメリカ、本当に埋めちゃうんだ。

http://www.inside-games.jp/article/2014/04/27/76337.html
http://blog.esuteru.com/archives/7653104.html

この都市伝説は
コンピュータの世界では歴史的な出来事
経済のお話でも有名な出来事である
「アタリショック」に係るお話です。

ちなみにこの「アタリショック」により
アメリカのTVゲーム市場は壊滅的な打撃を受けます。

そもそも、この「アタリショック」
なぜ起きたのかというと
クソゲーがあまりにも多くなりすぎたせいです。

当時のTVゲームでは
どれが面白いという情報が皆無でした。

だから、粗製濫造しても製作者側は誰も何も気にしないし
売る側も適当に陳列していました。

すごく頑張って良いゲームを作っても
適当に陳列されたら
どれが面白いゲームか
消費者にはわかりません。

消費者はゲームを買うということは、
ある意味、賭けの状態だったのです。


抱き合わせもありました。
ゲーム機本体を買うときに
おまけでソフトを付けます。

当然少し高くなるわけですけど
個別に買うよりも安い。
しかも、どれが面白いゲームかわからないわけですから
抱き合わせでついてきたゲームが
ゲーム機全ての価値を決めます。

結局、つまんないゲームが幅を利かせて
市場が壊滅したというわけです。


伝説のクソゲー「E.T」は
すでに終末を迎えていたゲーム市場に
最後のひとオシをしたに過ぎません。


しかし、現在は、アメリカはもちろん、全世界で
コンピュータゲームは当たり前のように存在します。

それは何故かご存知ですか?

それは日本のお陰です。

昭和58年(1983年)7月15日に誕生した
ファミリーコンピュータ(以降ファミコン)は
NESという名前で、海外でも大ヒットしました。



そもそも、ファミコンが登場した当時
日本でもTVゲームは他もにたくさん出ていました。

セガのSG-1000、エポック社のカセットビジョン等、
競合はたくさんありました。
カセットを入れ替えることで
別のゲームを遊ぶことができる点も
別に目新しいものではありませんでした。
(伝説のクソゲー「E.T」もカセットですし。)

つまり、ファミコンは
成熟市場に後発参入したなんら新しい点のない製品に過ぎなかったのです。
じゃあ、何故、ファミコンは
世界中でTVゲーム市場の一人勝ちが出来たのでしょうか?
ましてや、壊滅状態になったアメリカで。

それはゲームセンターのゲームを
ファミコンで遊ぶことが出来たためです。




ゲームセンターのゲームは
ゲームセンターで遊ぶことが出来ます。
つまり、面白いか、そうでないのかは
すでにゲームセンターで評価が定まっています。

ゲームセンターで人気のゲームがTVゲームでできれば
そりゃ、みんな飛びつきます。

ここで間違えていけないのは
TVゲーム市場が壊滅したと言っても
みんなゲームが嫌いなったというわけではないのです。

「面白いゲームがどれかわからない」ので
「買うことができなくなった」だけです。

面白いゲームならば、みんな、喜んで買う市場が消えたわけではないわけです。

また、既に知名度のあるゲームを移植して、
家庭でできるようにしたこの手法は
宣伝費の削減にも貢献しました。

しかし、この手法、今となっては
誰もが思いつくことの一つだと思いませんか?

それは今となっては、家庭用ゲーム市場というものが
とても大きな市場規模であり、
一般の生活に普通に溶け込んでいるためです。

しかし、この当時はそうではありませんでした。

TVゲームとは、どこまでいっても子供の遊びであり
おもちゃメーカーが
電子回路を組み合わせて作っていたものです。

高性能なCPUを組み込んで周辺回路を設計するような
ビジネスコンピューティングとは程遠いものでした。

必然的に
CPUを搭載したコンピュータと呼べるものは少数派で
たとえ、搭載していたとしても
コンピュータの処理能力を活かすことの出来ない
非常に性能の低いものでした。

とてもとてもゲームセンターのゲームができるほどの性能を持ったゲーム機はなかったのです。

そして
みんながみんな
「その程度のもので十分」
という認識だったのです。

しかし、ファミコンは違いました。

ゲームセンターのゲームが出来ることを念頭に、
高性能なCPUを組み込むだけでなく
画面表示のための高機能なカスタムチップを開発し搭載しています。

しかも、このカスタムチップの仕様を決めるに当たり、
宮本茂さんをはじめとしたゲームデザイナーの要望を取り入れています。
これも当時としては画期的なことでした。

結果、ゲームが作りやすく、高性能なファミコンは
その名の通り家庭のコンピュータとしての地位を築いていくわけです。

ブルーオーシャン戦略で言えば
TVゲーム市場は間違いなくレッドオーシャンで
しかも、壊滅的な状態になっていたわけです。

しかし、
ゲームセンターのゲームができること
そのために
妥協しないコンピュータを構成すること
を徹底することで
競合他社が存在しないブルーオーシャンに変えることが出来たということです。

さらに
情報誌の連携・充実
ライセンス契約により他社がゲームを開発して販売すること
をおしすすめ
世界中のTVゲーム市場で不動の地位を築いたわけです。

我々がアプリやWebサービスを制作するにあたり
極力、粗製濫造をしないこと
そのためには
何を大切にしなくてはいけないのか?

「アタリショック」から「ファミコンの席巻」までの流れの中で
学び取るものは数多くあるように思います。

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Posted by iA SEチーム at 17:05│Comments(0)ネタ
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