ファイルサーバーをクラウドにおく費用
2015年05月07日
クラウドとファイルサーバー
社内のサーバーを全てクラウドへ持って行きたい、
ということでファイルサーバーについて調べてみました。
当社はファイルサーバーが複数あって、容量は全部合わせると10TBくらいになります。
まずはAmazonを使う場合で計算をしてみました。
Amazonの高可用性ストレージと言ったらS3です。
http://aws.amazon.com/jp/s3/
これで10TB保存しようとすると約4万円/月です。
加えてS3からダウンロードしてくるのに1GBあたり20円くらいかかります。
ただしみなさんがどれだけダウンロードしているかわからないためこれは未知数です。
さらに、S3はWindowsの共有フォルダ的な使い方ができません。
Amazonが提供するAPIを通しての操作しか保証されていません。
ただしAWS Storage Gatewayというものを使えば
一般的なファイルサーバーと同じように操作できるようになります。
http://aws.amazon.com/jp/storagegateway/?nc2=h_l3_sc
ざっくり言うとStorage GatewayはS3との接続の入り口に立ち、
S3をiSCSIに接続するのと同じように使用できるようにするものです。
Storage Gateway自体は仮想マシンのイメージとして配布されます。
利用料金は14000円/月くらいです。
仮想サーバーの必要スペックはCPUコア4、メモリ7.5Gとか割と大きいです。
これをAWSのEC2で用意しようとすると2万円/月くらいかかります。
つまり10TBのファイルサーバーをAmazonで構築しようとすると、
約75000円/月+ダウンロード20円/Gくらいかかることになります。
というわけで存外高くなってしまいました。
他にMSのAzureとかいくつかのサービスで試算をしてみましたが、
それほど大きな違いはありませんでした。
そんな中、MSのOfficeとOneDriveが使い方によっては
ファイルサーバーの費用を抑えることができそうだということを知りました。
Officeには、OneDriveという無料のオンラインストレージがついてきます。
類似サービスはGoogleドライブ、DropBoxなどでしょうか。
OneDriveはMS Officeにセットなので追加料金が不要です。
容量は1人1TB使えます。(そのうち無制限になるとか、なったとかという話もあります)
個人用ストレージのため、複数人でドライブにアクセスするという使い方はできませんが、
個人のバックアップを取るには十分です。
ところで、最近はファイルサーバーの用途をさらにしぼった、
ドキュメント管理システム(呼び方があってるか不明)というのが増えてきているみたいですね。
有名どころだとMSのSharepointです。
ドキュメントに対してタグをつけるなどで、ファイル名以外にもいろんな方法で検索をしやすくする仕組みです。
当社ではAlfrescoというものを使用しています。
で、思ったのがMSのOneDriveとドキュメント管理システムへ
適切なデータを移動させたら、ファイルサーバーに保存するべきデータはどのくらい残るのか?
もしかしたらあまり残らないかもしれません。
当社の大きなデータは取材で撮ってきた写真などです。
これらはドキュメント管理システムに移動されることになります。
容量が減ればファイルサーバーに必要なコストを下げられます。
(ドキュメント管理システムのコストは別途検討になりますが)
もしかしたらファイルサーバー自体なくせるかもしれません。
ただこれらの仕組みをみんなに上手に使ってもらうことはすぐにはできないと思うので、
当社ではファイルサーバーは既存をそのまま使い、バックアップをクラウドに取る運用になりそうです。
バックアップとしてクラウドを使うだけならデータ保存料として1TBあたり4000円くらいでいけます。
ファイルサーバーのクラウド化はまだ意外と高い、という話でした。
Posted by iA SEチーム at 09:07│Comments(0)
│AWS